19歳の墓標


「いつもいつも、鬱陶しい奴らだ」
思わず鴇慈はぼやいた。
それも仕方ない。
奴ら――冠座四方会(かんざしほうかい)という戦闘集団は、北斗七星団を狙っていつも攻撃を仕掛けてきた。
目的はココの土地。
冠座四方会会長曰く、戦略的になかなか優れた土地らしい。
伊達に、かつてあった戦争で勝利した国があった場所ではないということなのか。
別に団長はそれを知ってココに団を作ったわけではないとは思うのだが。

今日も奴らは来た。
「こんな小さな所をいじめて、何が楽しいんだかな」
旨篤は苦笑する。
手に持った細身の剣が、軽く宙を掻いた後、鞘に収まった。
戦う準備は、できている。
「おいおい、自分のいる所なのにそれはないだろう?」
笑いながら鴇慈も、武器を手にする。
胸に装備するのは大型のサバイバルナイフ。
「大きさなど関係ない。俺様は俺様が気に入った場所にいる」
旨篤は鴇慈の方を向いて、微笑んだ。
「ココは小さい。けれど、俺様が気に入った場所だ。そこを汚す奴に情けをかけるつもりはない」
「…そうだな」
そう応えながら鴇慈が横を見ると、夜栄が立っていた。
「………来るぞ………」
鴇慈と旨篤は頷きあった。

「久し振りだな」
鴇慈たちよりも2,3歳年嵩に見える、くすんだ水色の長い髪の男がそう言った。
左目に付けた単眼鏡がキラリと光る。
周囲には、その部下たちがずらりと並び、戦闘態勢に入っていた。
「ったく…たかだか一週間ぶりじゃねぇか……」
「奇襲をかけてこないだけ、少しはマシになったようだな、貴様」
「………仁紫(にし)……しつこいぞ……」
鴇慈、旨篤、夜栄はそれぞれ応えるが、男――仁紫は特に気にせず部下に命令した。
「やれ、容赦はするな」
戦いが、始まる。

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