『そういやあ、お前等は俺様より先に知り合いだったんだっけ?』
『そうだな。
10年くらい前の話か。』
『今思い出しても頭に来る、ムカつく野郎だったぜコイツは』
『いってぇ…!!』
『城内で走るな、危ない。
一体何処の子供だ、こんな所に入り込んで。
………おや、殿下』
『「おや、殿下」じゃねぇよ!!
お前、最初から俺だってわかってたんだろ、白々しい!!』
『いえいえ、滅相もございません。
まさか殿下ともあろうお方が、このような所を走っておられるとは夢にも思いませんから』
『…何処かで見た事があるぞ。
そうだ、インペリアルガードの新入りだな?』
『殿下が私の様な者をご存知とは、恐悦至極にございます』
『ふん、心にも無い世辞は要らねぇよ。
俺が皇子だからって、皆適当にご機嫌取れば良いだろうと思いやがって』
『じゃあ、普通の子供扱いで良いのか。
それは楽で良い』
『何だその口の利き方は!
俺を誰だと思ってる!!
いくら何でも普通の子供の扱いはなぁ…!』
『やれやれ、難しいお年頃という事ですね』
『何てムカつく奴なんだ!
どうしてお前みたいな奴が、俺達を守るインペリアルガードなんかに!!』
『ご安心下さい、殿下』
『何?』
『我々インペリアルガードは、「貴方がた」をお守りするのではありません。
あくまで「皇帝」、つまり、貴方のお父上をお守りする騎士であって、殿下の事は二の次三の次ですから』
『!!』
『…覚えてろよ!!』
『あっはっはっは…!!』
『笑い事じゃねぇよ!
仕えてる奴に対しての態度だと思うか!?』
『だから、俺はお前に仕えていたわけではない』
『確かに「皇帝」最優先かもしれねぇけどな、次期皇帝候補に対してアレはどうなんだ!
皇帝に仕えるっていうか、帝国に仕えてんだろお前等!?』
『子供相手のちょっとした冗談だろう』
『子供相手だからこそ、冗談が通じねぇって事は考えなかったのか!!』
『涙を見た時は、流石に罪悪感を感じたな』
『泣いてねぇーー!!』
『あっはっはっはっは……』
『で、どうしたのよ皇帝。
何か復讐したわけ?』
『……別に…』
『…あれれ?
何か、いきなり元気無くなっちゃった。
どしたのこの子?』
『嘘はいけないな、皇帝。
色々仕掛けたけれど全て難なくかわされ、何か事あるごとに以前と同じようにあしらわれ。
しかし、いつしか少年は気付くのです。
「あれ…もしかしてコイツ……この城の中で、唯一俺と普通にコミュニケーションを取ってくれる奴なんじゃ…」』
『あっはっはっは!
あっはっはっはっは……!!
ど、何処の青春物語だよそれ面白すぎる…!!』
『〜〜〜〜!
てめぇら〜〜………!!』
『強ち嘘でもないだろう?
あの年頃なら、歳が近い友人が欲しくて当たり前だ。
しかしお前の置かれた状況下では、それは非常に難しかった。
そこへ…まあ、多少歳は離れているが、他の家来達に比べれば若く、そして気さくな俺の登場というわけだ。
思わずお前が「友達になれるかも!」と思ってしまっても仕方あるまい。
なあ?』
『……。
………。
…………ひ、否定はしてないだろ』
『…』
『…』
『…』
『…は、恥ずかしいいぃぃ〜〜!!
あはははは!!
あはははははは!!
あっはっはっはっはっは!!
ん、もーう!
寂しがり屋さんなんだからぁ!!
あははははははははは…!!』
『…いや…素直なのは良いんだが…、ココはとりあえず否定しておかないと、本当に恥ずかしいぞお互い』
『うるせえ!
うっかり言っちゃったんだよ!
仕方ねぇだろうが!!
もう出て行け!
二人共出て行け!
そんでもって暫くココに来んな!!』