場面:皇帝の部屋(寝室)
悪魔

『前から思ってたんだけどさー、何で皇帝の部屋って四つもベッドがあんの?』

皇帝

『あ?
その日の気分で変えるからだろ』

悪魔

『えー!?
何なのそれ無駄にリッチー!!』

皇帝

『…普通そうじゃないのか?』

悪魔

『ちょっと節制さん、貴方教育を間違えたんじゃありませんこと!?』

節制

『…かもしれんな』

皇帝

『な、何だよ!
子供の時からそうだったら、それが当たり前だって思うだろ!!』

節制

『そもそも自分が、色んな意味で「当たり前」じゃないと知った方が良い』

皇帝

『…こんなトコまで普通と違うなんて思わねぇじゃん…。
城下に行ったって、人ん家覗いてるわけじゃねぇんだし…』

悪魔

『あら拗ねちゃった』

節制

『まあ、教育係からも一般人のベッドの数まで教わらないだろうしな』

皇帝

『一個なのか』

節制

『基本的に一人一つあれば充分じゃないのか。
一人に複数なんて、金銭的にもスペース的にも厳しいだろう』

皇帝

『ふーん、そんなもんか』

悪魔

『でも良いなー。
こんなふかふかので寝られんの』

皇帝

『お前のベッドは何か特殊なのか?』

節制

『……』

悪魔

『……』

皇帝

『…何だよ。
そうか、また俺のは素材が特殊だからとかそういう話だな?』

節制

『それもあるんだが…、知らなかったのか』

悪魔

『みたいだねぇ。
そういえば言った事なかったかもー』

皇帝

『だから、何だよ』

悪魔

『あのね、俺様お家が無いの。
だから当然ベッドも無いの』

皇帝

『!?
家が無い!?』

悪魔

『あ、勘違いしないで。
好きでやってる事だから。
てきとーな時にてきとーなトコで、てきとーにやってんのが良いの』

節制

『その「てきとー」に巻き込まれて、いつのまにか部屋の隅その他を占領されてる、俺を含めた数名の身になれという話だ。
朝起きたらドアの傍に倒れてるとか、初めての時は流石に驚いたぞ。
せめてソファーを使え』

悪魔

『遠慮して床に寝てたんじゃない』

皇帝

『そうだったのか。
俺の所にはそんな風に来た事がなかったから知らなかった』

悪魔

『ココにこっそり忍び込むっていうのは、見つかった時に大変な形で捕まるからねー。
皇帝の場合は起きてる時じゃないとねー』

節制

『俺も然るべき所へ訴え出たら、お前は捕まるわけだが。
お前が言う大変な形かどうかはともかく』

悪魔

『えー!
超今更なんですけどー!』

皇帝

『何て言うか、お前は許可を欲しがらないよな』

悪魔

『だって、勝手にやっちゃうもん』

皇帝

『でもココには来ないだろ?
節制みたいに俺公認にしちまえば出入り自由で、ココで寝ようと何だろうと誰も何も言わないじゃないか。
近衛達に、お前の事は通せって言っとけば良いだけなのに、お前はむしろそれを嫌がってるみたいだ』

悪魔

『一応ねぇ、俺様だって弁えてんのよ。
まずいでしょうよ、皇帝のお友達に悪魔なんてさー。
だから、お城の皆さんには俺の事はこれからも秘密なの。
皇帝がいる時に、窓からこっそり、ね』

皇帝

『そんなもんかねぇ』

back
[北斗七星団]--[Flourish](c)Nagi Oborozuki 2004>>2008 All rights reserved.