『蛇の帽子を被っている派手な少年……間違いないな』
『おい、お前、魔術師か』
『確かに僕は魔術師だけど。
何だい、仕事の依頼かい?』
『違う、ついて来い』
『どうして僕が、見ず知らずの君達についていかないといけないのさ』
『お前……いくら何でも我々の素性も明かさないで、ついて来るわけがないだろ。
まったく…陛下が「剛毅一人じゃ無理だ」と仰るわけだ。
まさかココまで…』
『陛下だって?』
『我々は、皇帝陛下直属の部下、戦車と剛毅。
直々のご命令で、君を陛下の下へ連れて行かなければならない。
一緒に来てくれるね?』
『一体何の用で?
まさか、大昔みたいに城付きになれなんて言い出すんじゃないだろうな』
『ただ、連れて来いとだけ命令された。
だから、力尽くでも連れて行く』
『…まあ、本当に陛下のご命令って言うんなら、僕に拒否権は無いだろうねぇ…』
『わかった、行くよ。
ホントに、普通〜に仕事の依頼かもしれないしね』
『安心してくれ、陛下はお優しい方だ。
万が一君が望まない事だった場合、きちんとお話すれば納得して下さるだろう。
それこそ、君の協力が無ければ国民に危機が訪れるというわけでもない限りは』
『気軽に言うなぁ。
僕一人を犠牲に、他の国民全員が救われるっていう類の危機だったらどうしてくれるのさ』
『陛下にも危険が及ぶものであれば、俺が無理にでもお前に協力させる』
『剛毅、怖がらせてどうするんだ!!
すまない、魔術師。
少々話が飛躍し過ぎてしまった。
命令された時の陛下の様子から察するに、恐らくは何か尋ねたい事がおありなんだと思う。
だから、そう構える事は無い』
『大丈夫、怖くはないから。
いやー、しかし、そっちのお兄さんは超直球だね』