『アンタ………!!』
『?』
『覚えてるかな。
ううん、覚えてないんだよね、俺の事』
『何だいそれ?
流行りの遊びかい?
他を当たりなよ』
『無理だよね…。
アンタの前も、その前も、その前も…皆無理だったんだしさぁ』
『ちょっと、何泣いてるんだい?
そんなにキツく言ったつもりはなかったんだけど』
『違うよ…アンタが悪いんじゃないんだ。
でも、アンタがあんまりにも似てたから』
『やれやれ、泣かれるのは苦手なんだけど。
…ああ、アンタ悪魔かい。
なるほどね、だから「前」か』
『悪魔の事、知ってんの?』
『……少しはね。
こう見えても昔は、色々やってたんだよ』
『こんなに見た目までおんなじだったの初めてだ。
それなら、覚えててくれりゃ良いのに』
『仕方がないよ。
姿形が一緒でも、別人だったら仕方がない。
「覚えて」いるはずはないんだよ』
『それでもさぁ、こっそり信じてんだよね。
何人めかのアンタが、俺を思い出してくれるって。
ううん、もしかしたらアンタがこれから』