悪魔

『アンタ………!!』

隠者

『?』

悪魔

『覚えてるかな。
ううん、覚えてないんだよね、俺の事』

隠者

『何だいそれ?
流行りの遊びかい?
他を当たりなよ』

悪魔

『無理だよね…。
アンタの前も、その前も、その前も…皆無理だったんだしさぁ』

隠者

『ちょっと、何泣いてるんだい?
そんなにキツく言ったつもりはなかったんだけど』

慌てる隠者。
悪魔

『違うよ…アンタが悪いんじゃないんだ。
でも、アンタがあんまりにも似てたから』

隠者

『やれやれ、泣かれるのは苦手なんだけど。
…ああ、アンタ悪魔かい。
なるほどね、だから「前」か』

悪魔

『悪魔の事、知ってんの?』

隠者

『……少しはね。
こう見えても昔は、色々やってたんだよ』

悪魔

『こんなに見た目までおんなじだったの初めてだ。
それなら、覚えててくれりゃ良いのに』

隠者

『仕方がないよ。
姿形が一緒でも、別人だったら仕方がない。
「覚えて」いるはずはないんだよ』

悪魔

『それでもさぁ、こっそり信じてんだよね。
何人めかのアンタが、俺を思い出してくれるって。
ううん、もしかしたらアンタがこれから』

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