場面:皇帝の寝室
一番窓際のベッドに腰掛けている皇帝。
皇帝

『……』

悪魔

『なーに悩んでんの』

ひょい、と覗き込む悪魔。
皇帝

『うわ!
……何だ、お前か』

悪魔

『冷てーの。
心配して声かけてやってんのに』

皇帝

『勝手に窓から音も無く入ってくるような奴に、何で優しくしなきゃいけねぇんだよ』

悪魔

『たまたま音が立たなかっただけでしょうが。
第一、この位置にいて俺様が入ってきたのに気付かないなんて、悪い人が来たらあっという間にザックリだよ』

皇帝

『俺にそんな事出来る奴がいるなら、見てみたいもんだ』

悪魔

『お、凄い自信だねぇ』

皇帝

『まあ、「皇帝」ってのはそういうもんだ。
で、何か用か?』

悪魔

『んーん。
用ってのは無いんだけど、窓から見たら悩んでたから来てみた。
だから、最初に訊いたでしょうが。
「何悩んでんの?」って』

皇帝

『あー……うん。
ちょっと、欲しい情報があるんだが、どう集めたら良いものかと』

悪魔

『情報?』

皇帝

『ちょっとした調査って言うか…。
普通の用なら、戦車か剛毅に頼むんだが、今回の事は関わらせるわけにはいかない』

悪魔

『情報ねぇ……。
俺様にも頼まないって事は、何か特殊なんだな?』

皇帝

『その通り。
俺が集めて周れれば一番良いんだが、そうもいかないからな』

悪魔

『何が欲しいのか知らねぇけど、まあアレだ。
情報って言ったら月の店だろ』

皇帝

『月の店?』

悪魔

『ありとあらゆる事を知ってる、おっそろしい情報屋だよ。
ガキンコがやってる店なんだけど、その腕は確かだぜ。
一体どうやって情報集めてんだか』

皇帝

『口は?』

悪魔

『あれだけ信頼されてるし、相当堅いんじゃないのかね。
あの店から洩れたって話は聞いた事ねぇよ』

皇帝

『それは良い。
集められるだけの情報を集めてもらって、後の事は自分でやれば……』

悪魔

『後の事?』

皇帝

『いや、何でも』

悪魔

『ま、良いけど。
ああ、そうだ。
ちょっと危ない所にあるから、それだけは気を付けろよ』

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