場面:森の中
少し視界が開けた所に足を踏み入れる皇帝。
すると、何処からともなく聞こえてくる声。
吊るされ人

『おいお前、こんな所まで入って来やがって、一体何の用だ』

皇帝

『……王子?
そうか、森の王はお休み中か』

「鍵」を取り出す皇帝。
吊るされ人

『この気配は…。
もしや皇帝陛下?
これは失礼を』

皇帝

『いや、こちらこそ不躾に申し訳ない。
この方法が一番わかりやすいかと思って失礼させて頂いた』

「鍵」をしまう皇帝。
姿は見えないままだが、吊るされ人の声が近くなる。
吊るされ人

『恥ずかしながら周囲の情勢に疎く…。
確か、少し前にご即位されたのでしたか』

皇帝

『一応、一年半強という所か。
まあ、森人達から見ればほんの僅かな時間だろうが』

吊るされ人

『そうですね。
人とは違う時間を歩んでおりますゆえ』

考え込む皇帝。
皇帝

『お父上が眠りにつかれたのはいつ頃だったか?』

吊るされ人

『陛下が即位されて暫く……いや、もう少しでしたでしょうか』

皇帝

『という事は、王子は目覚めて一年経つか経たないか…。
そんな所か…。
それでは難しい』

吊るされ人

『何か特殊な御用が?』

皇帝

『先代の崩御の前後の事で尋ねたい事があったんだ。
だが、王と王子は入れ替わりで眠るのだろう?』

吊るされ人

『ああ、それでしたらお役に立てるかもしれません。
二人同時に目覚めて眠るわけではありませんので』

皇帝

『そうか、では訊いてみる価値はある。
崩御の前に、ココへ立ち入った人間はいなかったか?』

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