隠者

『はー、やれやれ、本当にしつこいねぇ』

魔術師

『君が逃げるからいけないんだろう。
そんなに難しい事を頼むわけじゃないのに』

隠者

『……何を頼みたいんだい?』

魔術師

『教えて欲しいんだよ』

隠者

『教えて欲しい?』

魔術師

『何故君が隠者になったのかを、さ』

隠者

『そんな事…もう忘れたよ』

魔術師

『そんなに消してしまいたい過去なのかい?
全てを捨ててしまえるほどに。
僕はずっと疑問だった。
どうして突然僕の所に』

隠者、魔術師の口にそっと手を当てる。
隠者

『やめておきな。
アンタの疑問はもっともかもしれない。
でも、知らない方が良い事もあるんだよ』

魔術師

『…それは、僕の為に、じゃなく、君の為に、だろう?』

隠者

『……そうだね』

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