法王

『「悪魔」の「能力」は、先天性のもののはずでは…』

女教皇

『お兄様、どうなさいましたの?』

法王

『……お前は、悪魔についてどれほどの事を知っている?』

女教皇

『たまに町でお見かけする程度ですから、詳しい事は存じ上げませんわ』

法王

『いや、「悪魔」と呼ばれるもの全般に関してだ』

女教皇

『あの方個人ではなく、という事ですか?
確か本来は、生まれつき魂が見える方々の事を指すはずですね。
今はもう、あの方個人を指す名前のようになっていますけれども』

法王

『自己申告が無ければ周囲に気付かれない能力では、忘れ去られても仕方ない。
いや、申告をした所で、他の者が確認する術もないが。
恐らく、今、本来の意味を知る者は、この世界においてごく僅かだろう。
まして、見た目からあのように派手な者が、「見えるだけ」以上の能力まで備えていたとあっては、それらを全て持つものが「悪魔」と思われて当然だ』

女教皇

『あの方は、一体何者なのでしょうね。
本当にご本人が仰っている程かは確かめようがないですが、少なくとも、私が幼い頃から全く見た目が変わらない特殊な寿命。
それから、こちらも私は見た事が無いので何とも言いようがない、魂喰らいの能力…。
翼や角があるという事は、獣人という可能性も考えられますが……』

法王

『「…先日、奴は言っていた。
長い寿命は元々のもので、魂喰らいの能力は、「悪魔」に「なった」時についたものだ、と』

女教皇

『何ですって?
「悪魔」に「なった」!?
なれるもの…なのですか?』

法王

『私もそのような話は、聞いた事が無い。
奴が獣人と仮定すれば、人間と寿命が違うだけで、魂が見えたり喰らったりというのは、虚言という可能性もあるが……』

女教皇

『けれど、あれだけの寿命がある獣人とするならば、同じ姿の者がもっと沢山いてもおかしくありませんね
いえ、むしろ、いないのがおかしい、というべきでしょうか』

法王

『隠れ住む種族の異端者か、あるいはたった一人の生き残りなのか……』

女教皇

『…調べてみますわ』

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