『アンタが節制だな』
『…何だ?
お前は確か、裏の情報屋』
『へーえ、流石。
裏の世界の顔もご存知ってぇわけか。
ま、別に俺は裏だけってわけじゃねぇんだがな』
『一体何の用だ。
俺はお前に一切用は無いのだが』
『こっちだって好きで話し掛けてんじゃねぇよ。
頼まれもんがあってな。
ほら』
『これは?』
『アンタ、皇帝の知り合いだろ?
コレ、渡しといてくれよ』
『お前に使われるいわれは無い』
『皇帝からのご指名さね。
俺に文句言われても困るってもんさー』
『あの馬鹿…一体俺を何だと思っているんだ…』
『ところでアンタ』
『まだ何か用なのか』
『アイツの言う事、聞く気ねぇの?』
『仮にも皇帝様のご命令だ。
次に謁見する機会を頂いた時に是非お渡し致そうと、こうして手に取っただろう』
『違ぇよ。
……戻る気はねぇんかって訊いてるんさね』
『貴様が介入する問題では無い』
『…おお怖ぇ』
『俺はアイツの味方だから、アンタには厳しくなるよ。
ああ、なるともさ。
あんなに泣いてんのに、これ以上泣かすアンタの気が知れねぇ』
『…二度は言わん』
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