たくさんのコード。
大きな水槽にポツリと浮かぶ小さな体。
それを見て、神サマはニッコリ微笑みました。
『君はこれから、何を考え、何を想うのだろうね。
 私はそれがとても楽しみだよ』
目を閉じて手を当てれば、小さな心音。
それを聞くと、神サマはもっともっと微笑むのです。

「おや、ついに完成ですか」
扉を開けて入ってきたのは、藍色の髪の青年。
振り返った神サマの幸せそうな顔を見て、彼もまた微笑みます。
「長かったですね」
「ああ、とても長かったよ」
青年は水槽の中を覗き込んだ後、神サマにポツリと言いました。
「この子に、彼女の代わりは務まりそうですか?」
「…どうだろうね」
神サマは微笑を苦笑に変えて、水槽の下の赤いスイッチに手を伸ばしました。
ピッという微かな音の後、水槽の中の水が何処かへ消えていきます。
「そういえば」
水が消えたのを確認すると、今度は神サマが青年に質問します。
「今日は一人なのかい?」
それに対して青年は、ああ、といった様子で扉の方を見ました。
「妹ならあそこで、誰か来ないか見張ってますよ」
「そうか、それなら良いんだが」
神サマは頷きながら水槽の中に入っていきます。
「何を!?」
青年は慌てて止めようとしましたが間に合わず、神サマの体は全部水槽に入ってしまいました。
「やはり、ちゃんと自分の手で抱きしめたいものだろう?」
そう言って、神サマはゆっくりコードをはずしていきます。
一本、二本、コードが外れる度に大きくなる心音。
神サマはそれを体中で感じ取りました。

「さあ、目を開けておくれ」
最後のコードが外れた時、神サマは小さな体をしっかりと抱きしめながら言いました。

「私の可愛いアクエリアス」


天界に、13人目のガーディアンが誕生したのです。



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