暖かくて明るい日差しを浴びていると、何だかウトウトしてしまいます。
ですが彼、アリエスはいつもウトウトしているせいか、そういう時には逆に目が覚めてしまう事があるようです。
ボーっとしながら窓の外を見て、雲の行方を追っていきます。
「――アリエス様?」
下の方から聞こえてきた声に、アリエスはゆっくりと振り返りました。
カプリコーンがこちらを見上げてきょとんとした顔をしています。
「何か用かい?カプリコーン」
そう尋ねると、彼女はハッとした顔をして俯いてしまいました。
「ご、ごめんなさい。アリエス様がそんな所にいらっしゃるなんて滅多に無い事だったので思わず…」
それを聞いたアリエスは一瞬驚いた顔。
けれどすぐに笑い出してしまいます。
「何だ、そんな事か」
そうです。
アリエスはいつだって、眠っているか本棚のすぐ傍で本を読んでいるか。
本が日に焼けないように、高い所に作られた窓の所に座ってボーっとしてるなんて、とても珍しかったのです。
一段一段、梯子をおりてくる彼と一緒に、クスクスという笑い声が近付いて、ついにはカプリコーンの隣に。
「確かに珍しいね。まともに空を見たのは、久し振りかもしれない」
カプリコーンは失礼な事を言ってしまったと思って、ますます縮こまってしまいます。
「その…ごめんなさい…」
そんな彼女に、アリエスは優しく言いました。
「謝る事なんて無いさ。君は…そのままで良いんだよ」
「?」
その言葉の意味を図りかねて尋ねようとしたカプリコーンでしたが、アリエスはもう、向こうへ歩き出していました。
――ずっと、そのままでいられれば良いのだけど。
そして、いつもの場所に枕を置いて、すぐに寝息を立て始めます。
慌ててカプリコーンが、軽い掛け布団を持ってきました。
どんな夢を見ているかわかりませんでしたが、良い夢でありますように。
カプリコーンがそう思った時、アリエスが眠ったまま微笑みました。
きっと、素敵な夢を見ているに違いありません。
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