「フォレスタは何処にいるの?」
年が明けた。
以前は神祈祭というモノがあり、その時に祝い事などをしたようだが、今は違う。
いつのまにか祭りは無くなり、その分年明けがとても賑やかになった。
しかし彼女は違う。
「…フォレスタは何処?」
ボソボソと呟くように言いながら虚空を見つめるリア。
そんな彼女を、ファインダーは思い悩んだように見つめていた。
「リア、兄さんはもういないんだよ」
何度目の言葉か。
「やだ、何を言ってるの?ちょっと出かけているだけに違いないわ」

 ファインダーは知っている。
死んだ双子の兄とこの少女が、固い絆で結ばれていた事を。
けれど、当然自分で自分の気持ちも知っているのだ。
隠したりするつもりは無い。
まして、兄のいない今は。
「俺じゃ…駄目なのかな」
思わず口にしてしまいハッとしたが、リアはその言葉に反応しない。
ただ兄を呼び続けるだけ。
そして思い続けるだけ。
「フォレスタ…」
ファインダーは深い深い溜息をつく。
同じ時に出会い、同じ時間だけ傍にいた。
けれど彼女は、兄を選んだ。
何が違っていたというのだろう。
兄の方が勝っていた部分というのは、一体何だったのだろう。
いつも思っていたが、比べる術は無い。
兄が死んでしまった今では、本当に何も。

「せめて兄さんが…」
せめて兄がああいう死に方でなければ、リアも自分もこんな苦しみを味わったりしなかっただろうに。
そんなファインダーの言葉に、リアが素早く反応する。
「フォレスタが、何?」
「…いや、何でもないよ、リア」
リアの様子を見ながら、ファインダーは淋しそうに首を振った。
「暗くならないで、ファインダー。大丈夫、もうすぐよ」
「…え?」
「もうすぐフォレスタが来るから。そうしたら3人で何処かへ行きましょう。せっかくの新年ですもんね」

 何故こんな事になってしまったのだろう。
あの日以来、ファインダーはいつも思う。
自分が贄になれば、兄と彼女が幸せに暮らせたのだろうか。
兄たちは確かに悲しんでくれるだろうが、今とは何か違っただろう。

「俺じゃ…駄目だったのかな」
先程と似てはいるが、内容の全く違う言葉を呟く。
今更言っても仕方の無い事なのだけれど。
神の声を聞けなかった自分には、無理な事だったのはわかっているけれど。

――兄さん、俺はどうしたら良い?




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