ある日、リアの家の扉を誰かが叩いた。
「誰?」
すると、扉の向こうから、リアがずっと聞きたかった声が聞こえてくる。
「リア、遅くなってすまなかったね」
リアは大急ぎで扉を開けた。
「フォレスタ!やっと、やっと来てくれたのね!」
扉の外で、フォレスタが優しく微笑んでいる。
「それじゃ、約束通り何処かへ行こうか」
フォレスタが差し出す手を喜んで取って外に出る。
…が、ふとリアが気付く。
「ファインダーは何処にいるの?」
「僕達に気を遣ってくれたんだ。『2人で行って来い』って」
その言葉に、リアはちょっと照れたように笑う。
「…そう…そうなの…」
「さ、何処へ行こうか?」
「そうねぇ…」
外へ出た2人を、太陽が優しく照らしていた。
「あら?」
笑いながら歩いていると、リアが首を捻った。
「どうかした?」
まじまじと顔を見ながら、フォレスタの顔を覗き込む。
「フォレスタ、今日は少しだけ…ほんの少しだけなんだけど、瞳が青いわね」
「…そうかな?」
頭を軽く掻くフォレスタに微笑みかけながら、リアは言った。
「髪と瞳の色は全然違うと思ってたけど、やっぱりファインダーと似てるのかしら」
そして、フォレスタの顔に触れる。
「貴方たちって、姿形は本当にそっくりだもんね」
楽しそうに言うリアだが、フォレスタは何故か少し淋しそうな顔をしていた。
「…気のせいだろう」
そして一度瞬きすると、いつもの通り真っ黒な瞳になった。
リアは、思わず目を擦ってしまった。
「……気のせいなのかしら……」
しかしそれには構わず、フォレスタはリアを促す。
「次は、橋へ行く?」
そんなフォレスタを上目で見た後、リアは満面の笑みを浮かべた。
「…うん!」
……あの日、一番大きな心の傷を受けたのは、ファインダーだったのかもしれない。