――どういうこと、どういうこと?
間違いって何?
邪魔な因子って何?
レイリックは混乱するが、フェイスティーは至って冷静だった。
「そういうわけで、俺が直々にお前を殺してやる」
「ど、どうして!?間違いって、何なの?」
フェイスティーは眉を寄せながら面倒臭そうに言う。
「お前は正式な贄じゃないんだ。最初に会った時言っただろう?『逃げた』って」
「そんな…じゃあ、僕が贄になってもならなくても世界は…」
――世界は滅んじゃうの?
それなら、それならせめて僕も皆と同じ場所で…。
泣き出しそうになるレイリックを見てイライラしていたフェイスティーが大声をあげる。
「あー、鬱陶しいなぁ!!」
そして、胸元を開け、そこに見えたペンダントヘッドを無造作に引き千切った。
十字架の形をしたそれは、みるみるうちに大きくなる。
「どうせお前はここで死んじまうんだよ!世界とか何とか、もう関係ないだろ?」
フェイスティーは、自分の身長と変わらない大きさになった銀の十字架を振りかざした。
――こんな風に、僕は死んでしまうんだ。
僕は、贄じゃなかったのに、こんな所で…。