その後も2人は、川原でよく会うようになった。
プライマリーは、家での気に入らない事や、自分が昔飼っていたペットの事などを話す。
フェイスティーは、ただただ聞くだけ。
何か、自分のことで話せる様な事が無かったから。
今まで贄と、こんなに接触した事は無かった。
フェイスティーはそう思う。
何より、接したいと思わなかった。
皆、同じだったから。
――自分が死ねば世界を、大切な何かを守れるから。
それが何だというのだろう。
けれど、プライマリーは違った。
はっきりと言った。
『俺は嫌だよ、そんなの』
彼のいる空間が、何故かとても心地良かった。
自分たちは似ているのかもしれない。
そんなことも思う。
プライマリーは、自分が嫌なことは嫌、とはっきり否定するタイプの人間らしい。
だから、家庭では少し家族と距離をおいている。
贄という事がわかった瞬間から、家族の態度が何か変わった。
それが、嫌だからといって。
自分もそうなのだ。
嫌なことは嫌。
絶対に受け入れられない。
気に喰わない物は壊し、目障りな人間は消してきた。
…そうするように、言われた。
――今までは、アイツの言う事が全てだったけど…