どうか僕の事を愛さないで。
僕は、貴方たちの前から消える人間だから。
僕と、できる限り関わりを持たないで。
僕に対する感情を抱いてはいけない。
少しでも嫌われるようにしなきゃ。
僕がいなくなった時、貴方たちが悲しまないように。
喜ばない、笑わない。
ほら、面白くないでしょう?
一緒にいてもつまらないでしょう?
僕の近くに来ないで。
僕の心を覗かないで。
「一人じゃないからな。お前には姉さんも俺もいる」
どうしてそういう言葉をかけてくれるの?
どうしてこんな僕に、そういう言葉をかけられるの?
「我慢…してるわけじゃないだろうな。笑いたかったら笑うんだぞ?」
駄目なんだ。
駄目なんだ、僕は。
愛されては、いけない。
僕は、大切な人の為に行くんだ。
「僕だって自分が大切だ!でもそれ以上に兄さんと姉さんの幸福を望むよ!!」
嘘。
大切なのは自分。
兄さんと姉さんの幸せの為じゃなくて、ただ僕の想いの為だけに。
「それなのにお前は俺に、お前を止められなかったって後悔させるつもりなのか?」
大好きだよ。大好きだよ。
兄さんや、姉さんの事。
それは嘘じゃないんだ。
だから悲しませたくないのは本当なんだ。
でも。
僕は、貴方たち以上に大切な人の為だけに生きている。
愛さないで。
愛されるような人間じゃないから。
「―――まっすぐ顔を見ることができないの」
憎んでくれて構わない。
届かない想いとわかっていても、僕はあの人の為に。
だから、こんな弟の事は早く忘れて。
「僕なんて、初めからいなかったみたいに」