レイリックが姿を消したのを確認すると、フェイスティーはゆっくりと振り返った。
「おい。今回は俺の勝ちだな」
すると、奥に小さな光が見える。
「おっと、怒るなって。こっちだって何度かお前に摂られちまってるんだ。たまには良いだろう?」
もっとも、俺にはあまり関係ないが、と呟く。
「俺は別に、直接お前と張ろうって言ってるわけじゃない」
少し俯いてから、真剣な顔をした。
「いつか…その時が来るかもしれないがな」
大きさを戻した十字架を首に掛け直し、階段の方を向く。
一歩踏み出した足は、少し迷っているような。
「アイツらは…『人間』はまだ知らない。――この世界の、真実を」
そう言った後、フェイスティーの姿が掻き消える。
奥で、小さな光が淋し気に揺れた。