例えば自分のいる世界が、『誰か』に動かされているものだとして。
『誰か』に『一番』大切な何かが出来てしまったら。
世界は、どう動くのだろう。



『誰か』の名前はモルセラ。
この世界の動力源。
世界の全ては、モルセラが生み出すエネルギーで動いている。

異変は突然だった。
世界全体に満遍なく送られていたエネルギーが、一ヶ所に集中して送られるようになったのだ。
今はまだ大丈夫。
しかし、供給が途絶えた所は、やがて衰退していくであろう。


「これは、我々に対する裏切りだ。モルセラには、降りてもらおう」
「俺も手伝うぜ兄貴」
「モルセラ様いなくなったら、エネルギーはどうなっちゃうの?」
「大丈夫。モルセラの意思だけに左右される、不安定なエネルギー供給を止めるだけだよ」
「ぶん殴って言う事聞かせるって事だな」
「ぶ、ぶんなぐ……!!」
「ゼプト!」


「一兄、もうモルセラは無理だわ。ヨクト達と協力して、新しい道を探しましょう」
「僕達の使命を忘れてしまったのかい?これがモルセラの意思ならば、僕はそれについて行く」
「一兄…」
「向こうへ行きたいなら、勝手に行くんだな。俺は兄さんと共に、モルセラを守る」
「アンタの話なんて聞いてないから引っこんでなさいよ!」
「何だとこの馬鹿妹!」
「アタシの兄さんは一兄だけ!」
「二人ともやめないか。…三冬、君はどうしても、ヨクト達の元へ行きたいと言うんだね?」
「……そうよ。一兄は、来て、くれないのね」


「イットー!トージ!」
「アトじゃないか。どうしたんだい?」
「大兄様と小兄様、モルセラ様殴るって。そんなの嫌!」
「そうだね、そんな事、絶対に嫌だね」
「兄様達の事好きだけど、私、モルセラ様も大好きなの。二人の事、止めたいの」
「お前が好きな兄さん達と、戦う事になってもか?」
「……モルセラ様、きっとわけがあってこんな事してると思うの。それを兄様達にわかってもらう為なら…」
「わかった。それじゃあおいで、アト。僕達と一緒に行こう」


「本当に良いのか、ミフユ。我々としては、お前が来てくれてとても心強いが」
「良いのよ。モルセラをアタシ達が動かせるようになるなんて、面白いじゃない」
「だよな!一緒にバシッとやっちまおうぜ!」
「それに、冬二を正面きって叩きのめせる機会なんて、滅多にないわ」
「…イットーもこちら側についてくれると助かったのだがな」
「……それは言わないで…。アタシだって、一兄とは戦いたくないんだから」


近い未来、戦いが始まる。




一冬冬二三冬ヨクトゼプトアト