そこに立っていたのは、先ほどの影と同じ数。
つまり、この5人が爆発を起こした犯人というわけだ。
その中のリーダー格と思われる――あのニコニコと笑顔を浮かべていた男が一歩前に出た。
恐らく、彼が朝基なのだろう。
「嫌だなぁ。久し振りだっていうのにそーんな顔しちゃって」
髪が、笑うのに合わせて微かに揺れる。
「そんなに俺の事嫌い?」
ずっと微笑んだままなので、瞳の色や本当に見ている場所を窺い知る事は出来ない。
「ああ、大嫌いだ」
厳しい口調で言いながら、迢は手を後ろへ向け、団員たちに下がるよう指令を出す。
「うわ、俺辛ーい。どうしよう仁紫(にし)ぃー」
全然辛そうじゃなく言って、朝基は隣にいた暗い水色の長髪の男にすがりつく。
仁紫と呼ばれた男は黙って彼を引き剥がしながら、左目にセットしてある単眼鏡を直す仕草をした。
そして迢を一睨みする。
「仁紫怖ーい!」
自ら仁紫の傍から一歩離れ、迢に笑顔を向ける朝基。
「でも迢、仁紫より俺の事が怖いんだよねー」
クスクスと笑っていた朝基だが、次の瞬間彼の明るかった雰囲気が、一変して妖艶なモノに変わる。
「俺の事っていうか…俺の『力』が怖いんでしょ?」
「お前たち、動くな!」
朝基が言いながら目を開くのと同時に、迢が右手を前に突き出した。
カッ
朝基の目が妖しく光る。
パシンッ
が、迢を中心に結界が出現し、それが光を弾き返した。
「相変わらずエルフってややこしいよねぇ…」
やれやれ…といったように朝基が苦笑する。
「いつまでもつかなぁ…。ねぇ、迢?」
そう言いながら邪悪な笑みを浮かべる朝基。
その瞳は金色に輝いている。
そこから発せられる光から団員を守るべく、迢は結界を張っているのだが。
――こんな広い空間は流石に辛いな…。
迢の額から汗が流れ落ちる。
「元々体力無いのに、無理しない方が良いよー?」
「お互い様だろう」
迢の言葉に朝基ではなく仁紫の眉がピクリと動いた。
だが、朝基が黙ったまま仁紫を威圧する。
迢の後ろではどうしたら良いのかオロオロする団員を、琥香が落ち着かせていた。
――まだか…?
結界が、じわりじわりと縮んできたその時。
ガシャンガシャン
迢を挟んで2枚の壁が天井から下りてきた。


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